火事の原因
すぐに母に火事の原因を聞くと、一切予想もしていなかった答えが返ってきました。
「蚊取り線香」
それを聞いて絶句しました。
実家は平屋でした。母がいつも過ごしていた部屋から一番向こう側にある部屋の前に、母にしか懐いていない凶暴な犬を繋いでいるのですが、その犬のためにいつも蚊取り線香を置いていたそうです。
でも、その犬は蚊取り線香をいつも悪戯したり倒したりしていたそうで、ついにそれが火事を起こしてしまったそうです。
母は、そこから離れた部屋で夕飯も食べ終わり、うとうとしていたそうですが、なんだか煙くさいのに気が付き、部屋の襖を開けたらもう向こうの部屋は火の海状態だったそうで、靴も履かずに身一つで飛び出して、近所に助けを求め、近所の人が消防署に通報してくれたそうです。
てっきり、電気がショートしたとか、料理をしていて火を消し忘れたとか思っていたら・・・さっき、吠えまくってきたあいつ。
もう、心の中に湧き出たのは、呆れる気持ちとか小さな怒りとかでした。
私の人生は、母の犬病のせいでずっと苦しめられ、最後は母がちゃんとしつけもできずに増やした犬のせいで実家まで破壊された。
いやもう、犬のせいと言うよりも、結局は母のせい。
母も、適当に生きてきたせいで、結局そんないわば阻止できたことで大惨事を起こしたのです。
そんな何度もその犬が悪戯したり倒しているなら、蚊取り線香なんて置くのをやめれば良かったのに。それだけのことなのに。
結局、母の考えの浅さや世間知らずさがこんなことに・・・
だけど、目の前で明らかに落ち込んでいる母を責める気にもなれず。
私はただただそのくだらない原因に、そんな事実に、ショックを受けていました。
いとこのおじさんはなぜか、いや自分が原因だと言います。
話を聞いてみるとどうやら、今日冬用の厚めの布団をいとこのおじさんが母の元に持ってきてくれたそうです。
おじさんは、その布団が厚くて良く燃えるから、だから火が広まってしまったんじゃないかと、気にしているのです。まったく、何も悪くないのに。
そして、私達は洗濯機のせいだと思い・・・
なんだか、実際はこんなものなのかもしれないとも思いました。
思いもよらない
旦那が母に「今日買ってあげた洗濯機が原因だと思った」と言うと、「それは違う。洗濯機2回しか使ってないのに、せっかく買ってもらったやつ燃やしちゃった。」と母が答えました。
旦那がそこで母に言ってくれた言葉は、「それなら良かった。一応使ったんだね。全く使わなかったんじゃないから良かった。」という温かい言葉でした。
私が母に、優しい言葉や慰めの言葉をかける気にもなれない中、旦那が代わりに声をかけてくれていました。
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