火事のできごとと今から

火事のあれこれの日記

犬の新しい家が決まった

支離滅裂に母にキレられて、私はもう母と口をきくのも嫌になりました。

それでも母は、いっさい反省するそぶりもなく、こちらを責め続けていました。

旦那が母に、「こんなのでごめんね。今は臨時だしお金もないから、全てが安い物しか買えないけど、そのうち落ち着いたら、ちゃんとしやつに変えるから。」と言ってくれました。

 

そうしているうちに、犬を見に来てくれる方から到着するとの電話があり、ただ、うちの場所が入り組んでいてわかりにくいため、迷っているようでした。

とりあえず、徒歩2~3分のわかりやすいところにいるようなので、そこにいてください、こちらから向かうのでと言って待機してもらう事にしました。

じゃあ、犬を連れて行こうと旦那が言うと、母は「そんな所まで歩けないよ。だから断ろう。○○ちゃん(旦那の名前)断ってよ。」ととんでもないことを言いだしました。

それならいいよ。俺が一人で行ってくるから、犬をこっちに渡してと旦那が言うと、さすがにそれは悲し過ぎるらしく、結局一緒に行くと言って二人で向かって行きました。

 

私はちょうど、電話が一本入っていて、その後向かおうと思ったけど、なんだかもう心が疲れ切ってしまっていて、おじさんの別荘に入ったら動けなくなってしまいました。

そして、あんな母であることが、とことん悲しくなりました。

 

しばらくして、すっかり機嫌を直してまるで鬼から仏モードになったような母と、旦那が戻ってきました。

どうやら、引きとってくれたとのことです。

 

今回、里親になってもらった子は、私が実家に行くとずーっと吠え続けてくるくらい、正直懐っこさがゼロの子でした。

でも、どうやら里親になってくれた方、Mさんの前ではかなりおとなしくしていたようです。

 

Mさんは、夫婦で来てくれていて最初はやっぱり、汚れきっている犬を見て、ちょっと躊躇したと言うか、黙ってしまったそうなのです。

正直見た目だけで言うと、野良犬も同然のようでした。そんな子を差し出されて躊躇してしまうのも仕方ないのだと思います。

そして、何があったか火事のことを説明して聞いてもらっている間や、当たり前のことだけどワクチンの有無などを聞かれると、ことあることに母は「もらってくれなくてもいいんです。私が育てますから」とさえぎり、その都度、旦那が母を叱ったらしいです。

 

Mさん夫婦も、そんな母にかなり最初は戸惑っていたらしいけど、火事の話を母がしだして、「私が全部悪いんですと」と泣き始めると、それまで黙り続けていた旦那さんが、「これはもう引き取る以外の答えはない!」と言ってくれて、奥さんもすぐにそうだね、と言ってくれたそうです。

そして、ちゃんと大切に育てるんで、安心してください。時々は、連れてきますよ、と言ってくれたそうで、ジェットコースターみたいな機嫌の持ち主の母も、すぐにお礼を言って、委ねることにしたそうです。

 

火事なんて大不幸に遭っても、それでも人の善意はなんてありがたいものなんだろうと感じました。
そのまま連れていってくれて、すぐに病院に連れていってくれたそうです。

実は、この犬の里親話には後日談があるのですが、それはまた後々書きます。

 

そんな一部始終の報告を聞きながら、私もMさん夫婦に会いに行けば良かったなと思いながらも、もうその日は母と口を聞く気にもなれず、目も合わせませんでした。

でも母は、その日はずっと上機嫌で、寝るまで、本当にいい人達にもらってもらってあの子は幸せだ、私のそばにいるより幸せだ、と満足そうに何度もつぶやいていました。

 

 

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