火事後のライフラインの手続きあれこれ
ちなみにTおじさんの別荘にずっといさせてもらっているけれど、おじさんの別荘のお風呂が壊れているので使えません。
燃え跡の片付けもだけど、新旧の家の光熱関係の手続きも進めなければなりません。
火事の現場の実家の物は停止して、臨時で住ませてもらう部屋の物は使えるようにしなければならないのです。
水道やガスは手続きがすんなりできたものの、厄介なのは電気でした。
新しく契約する場合は、すぐには使えず、使用開始は4日後と言われました。
なので結局、まだしばらくおじさんの別荘にいさせてもらわなければなりません。
それで、電気の手続きにイライラさせられたのは、申し込みの電話では何も言われなかったのに、翌日になってメールで、住所が見つからないので予定日に使用開始できないかもしれない、その場合はご了承くださいという内容の物が届いていたのです。
ご了承くださいも何も、使えないと困るし、かなりいい加減だと思いました。
とにかく、電気の他にも市役所の色んな課との手続きの約束時間や、業者との現地での約束、後片付け、新居の準備、とにかく時間が足りないって言うのに、電話はフリーダイヤルで、イライラさせられるゆったりアナウンスが流れ続け、やっと繋がっても、”それはこちらの課ではできないので○○という所にかけ直してくれ”と言われる。
そして言われた通りの番号にかけても、”それは結局さっきのところに聞いてください”と言われ、またしてもゆったりアナウンスから。
やっと繋がって、”その場合は今度は□□と言うところにかけてください”。
他のことをやっているうちに電話がかかってきていたので折り返すと、”センターが違うからなんのことかわからない。××と言う者がかけたみたいだけど、こちらからは転送できないし、お客様がかけてもそのセンターに繋がるとも限らないです”(コールセンターが全国のいたるところにあってランダムで繋がるらしいです)
で、また1から説明。たらいまわし。
そんな感じで、忙しいのに何時間も電気会社との電話に時間をとられ、最後はさすがにこちらもイライラしてしまいました。
ちなみに住所が見つからないメールは、機械での処理のためよく発生するらしいです。
それなら早くイレギュラー処理をそっちでして、連絡なりしてくれよと、電気会社に対しては、不満でしかありませんでした。
悲しかったのは、実家の固定電話を解約したことです。
生まれてからずっと使っていて、何があっても間違えることのないくらいに暗記しきった家の電話番号がなくなるのです。
母には、これからは携帯電話を持たせることにしたため、元の電話の基本料金を払い続けても仕方ないので、解約することにしたのです。
簡単に言える数字が、もう私とは関係のない数字になってしまうんだな。
その番号にかけても、もう繋がらないんだなと思うとなんだかとても悲しかったです。
電話線を撤去する日、作業を見守りました。
別に立ち合う必要はないと言われていたけど、見送りがしたくて立ち合いました。
作業員のおじさんは、凄く優しそうな笑顔で作業をしながら挨拶してくれました。
そんな優しいおじさんの手によって撤去されたのも、ちょっと悲しい気持ちを救ってくれました。
これはとても小さなことだけど、”火事さえ起きなかったら”、そんなことから派生することがたくさんあることを初めて知りました。知りたくなんてなかったけど。
実は、実家はちょっとややこしい問題があって、実家の持ち主は、おばさんになっているのです。
元々は、祖母が持っていた大きな土地を母達姉妹で分けて、私の実家の場所分は母の物だったのですが、母が土地にかかるお金などを払えないため、おばさんが母から買い取る形で土地はおばさんの土地となっているのです。
なので、また市役所の手続きもややこしく、まずは母とおばさんの関係を証明する書類を提出するため、除籍謄本をとりに行きました。(おばさんはおじさんの嫁となっているため)
そこには、私の祖母、そして会ったことのない祖父、その親や、私の会ったことのない母の大兄弟の人達の名前も載っていて、かなり興味深かったです。
そして、お見舞金を市役所からいただきました。
それから県と赤十字からも。
今はとにかく、お金をもらえることもありがたく。
でも母は金額を確認すると、「なんだ、それっぽっちか」と言いました。
この期に及んで、とにかく母には呆れっぱなしです。
それから新しく市役所から言われたことがありました。
それは、新しい住み場所に対して。
臨時で入れる所はあくまでも臨時であり、最長でも一年で出て行ってもらわなければならないと言うことです。
そして、母の場合、お金もないので市営住宅か県営住宅に申し込むことになるだろうけど、それは必ずしも、母に権利がもらえるとは限らない。特に市内の中心部ではなかなか空きが出ないということです。
車も運転できない母が、市のはずれになんて住める訳もなく。
だから、市営だけでなく自力でも探した方がいいとのアドバイスでした。
だけど、高齢の母が一人暮らし出来るようなアパートも見つかるとは思えません。
またひとつ、大きな壁が立ちはだかった気がして、この日から、母の住む場所のことを考え始めると、眠れない日々が続きました。
なのに母は、そんな私の事なんて微塵たりともわかっておらず、どこまでも能天気でした。
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